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パーキンソン症候群

パーキンソン症候群はパーキンソン病とは少し違います。パーキンソン病=パーキンソン症候群ではありません。パーキンソン症候群はもっと幅広く、「パーキンソン病のような症状を示すいろいろな病気」が含まれます。

パーキンソン病のような症状

動きづらい(無動、寡動、動きが少ない)

特に歩き出しなど動作の最初の一歩が出づらくなります。

 

筋肉が固くなる(固縮)

筋肉の緊張がうまく調整できず、筋肉に固縮という特徴的な固さがでます。当然動きづらさの原因となります。

 

ふるえ(振戦)

手や顎などがリズミカルにプルプルと小刻みに震えます。ただし、比較的パーキンソン病の方に特徴的な症状です。

 

小刻み歩行

一歩一歩の歩幅が小さくなります。ちょこちょことした歩行になるため、小刻み歩行、と呼ばれます。

 

姿勢反射障害

読んで字のごとくなのですが、身体の姿勢を適切に保つのが難しくなるため、軽くぶつかっただけで立ち直ることができずそのまま板のように倒れてしまったりします。

 

※この小刻み歩行と姿勢反射障害のため、転倒しやすくなるのも特徴的な症状です。


パーキンソン症候群を来す疾患

脳梗塞

脳梗塞で特定の神経がダメージを受けることで、パーキンソン病のような動きづらさ、がメインの後遺症となることがあります。ただし、脳梗塞が多発していることも多く、パーキンソン病のような症状だけでなく、認知機能の低下など、ほかの症状を示していることも多いです。

正常圧水頭症

脳や脊髄は髄液、という水に浮かんだように存在しています。その水分が増えすぎると、脳は頭蓋骨、という固い容器に入っているため、水分が増えた分だけ脳に圧力がかかることになります。この”脳圧”が異常に高くなった状態が水頭症、と呼ばれます。高齢者に多い病気で、値としての脳圧は”正常”にもかかわらず、脳は圧を受けたかのようにダメージを受ける病態、というのがあります。それが正常圧水頭症、という疾患です。この正常圧水頭症の症状として小刻み歩行などパーキンソン病のような症状が目立ってくることがあります。

慢性硬膜下血腫

これも高齢者に多い疾患です。頭を軽くぶつけてしまった。2~3か月したらなんとなく認知症や歩行障害が進行してきた。脳の周りにじっくり、ゆっくり血液(厳密に血管からでた真っ赤な血液ではありませんが…)が漏れ出した病態です。急激に脳の周りの出血があるともっと重篤な状態、例えば意識障害や痙攣、致命的な経過をたどることもあります。しかし、ゆっくりたまった血液は、症状もゆっくり現れてくるため、なんとなく認知機能や歩行機能が低下した…程度の症状でCT検査をして初めて病気が判明する、ということもあります。

薬剤性

パーキンソン病、自体は脳にあるドパミン産生細胞(ドパミンは神経同士が情報をやり取りするために使う神経伝達物質です)がダメージを受ける病気です。ある種の薬剤は(抗精神病薬など)このドパミンの働きを薬として抑える働きがあります。したがって、そういう薬の副作用としてあたかもパーキンソン病のような症状が出ることがあります。薬剤性パーキンソニズム、と呼ばれますが、その原因の薬を中止することが必要となります。


他にもまれな神経内科疾患でパーキンソン病のような症状を示すものがあります。ちなみにパーキンソン症候群で見られる症状を英語でParkinosnismと言います。パーキンソニズムを示す様々な病気をパーキンソン症候群とよぶ、ということになります。


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