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高齢者の危険な骨折

高齢者の骨折

骨折の原因

高齢者の骨折

高齢者はくしゃみやちょっとしたつまづきが原因で骨折に結びつきます。

 

足の付け根が原因の骨折では4割の高齢者が1年経っても1人で歩けない、そして2割の高齢者が1年以内に命を落とすというデータが出ています。なんと40%の高齢者が1人で歩けなくなり、20%の人が骨折から1年以内で亡くなっています。

高齢者の危険な骨折のグラフ

高齢者の危険な骨折の円グラフ
65歳以上

手術までの日数

なぜ足の付け根の骨折は寝たきりや死亡に繋がりやすいのか?

痛みがつづくのが大きな原因の1つです。痛みで身体が動かせないので、床ずれとか肺炎とかいろいろリスクがあります。怪我をした日に手術し、固定が終わって翌日から歩けるようにするのがベストです。患者が折れたことを覚えていないくらいにすぐに元の生活に戻すのが理想です。

骨折⇒出来るだけ早く手術

このプロセスが、その後の早い回復に繋がります。しかし…実際に手術までにかかる時間は全国平均で4.2日です。

 

どうしてそんなに時間がかかってしまうのでしょうか?

病院に運ばれて来た時点で高齢者は心臓疾患糖尿病などのさまざまな病気を持っています。手術にはさまざまな準備が必要です。医師と手術室の確保、血糖値に異常がないか?、手術に影響のある薬を飲んでいないか?その上で患者が安全に手術を受けられる状態かどうか、内科医がしっかりと確認する必要があるのです。そのため多くの病院では手術までに数日かかってしまうのです。

  • 足の付け根の骨折…大腿骨を骨折すると排泄が出来ません。排泄しようと足を開くたびに激しい痛みが襲います。
  • 血栓が出来やすい…動けなくなるのでエコノミークラス症候群になりやすいです。
  • 認知症が進行します…激しい痛みで頭の方にも症状が出てきます。

死亡の原因

どうして死に至るのか?

このように足の付け根の骨折は全身に症状が起って死に至る病なのです。

  • 血栓ができて血管が詰まる。
  • 持っていた病気が悪化する。
  • 肺炎を起こす。

痛みから動けないのでベット上で寝たきりになる。

痛みで動けない⇒寝ながら食事⇒喉につかえる⇒誤嚥性肺炎⇒命の危険

痛みの期間が長ければ長いほど食事の回数が増えてリスクが出てきます。なるべく寝たきりの期間を短くしていくことでリスクを減らし寿命を延ばします。

寝たきりになると…

1日約3%

3日約5%

体力が落ちます。

1日でも早く身体を動かしてやるということが大切になってくるのです。

大腿骨周辺の骨折から1年後の状態のグラフ

大腿骨周辺の骨折から1年後の状態の棒グラフ

医療機関

日本の医療の現状

日本では十分に医療スタッフが足りていないのが現状です。手術室が足りていないなどの問題もあります。また先生が専門家しているので、心臓病や糖尿病など合併症を持っている患者は手術のために何人もの医師を回ることになります。

 

寝たきりが続くと筋力がとんどん落ち、その期間が長くなるほど動けなくなって歩行能力が落ちます。できる限り手術の翌日にはリハビリを開始させ、早く歩けるようにしてあげないといけないのです。1度骨折をしていまうと、骨折を繰り返す高齢者が多いのも特徴です。

骨粗しょう症マネージャー

日本の医療機関には骨粗しょう症マネージャーがいます。おもに看護師や理学療法士が担当します。骨粗しょう症マネージャーは全国に3,500人程度で全ての医療機関にいるわけではありません。しかし近年、数が増えてきています。

 

患者に定期的に電話して骨粗しょう症の薬を飲んでいるか?転倒していないか?1ヶ月に1度、電話で確認をしてくれます。心臓病や糖尿病などの重要な薬は飲み忘れることが少ないのですが、骨粗しょう症の薬は大事な薬であるという認識が薄く、飲まなくなってしまう患者も多いのです。しかし、骨粗しょう症の薬は骨折の予防にとても重要です。


リハビリ

手術後のリハビリ

  1. 離床…誤嚥性肺炎、尿路感染、腸閉塞などの予防。最初のリハビリは床から離して身体に重力をかけてあげる。
  2. 体力に合わせた歩行訓練…最初は両手を使って平行棒を歩く。体力があれば歩行器や杖で転ばないようにその人にあった形のリハビリ。早期のリハビリで3~6週間で回復の可能性。

骨折は骨自体が動くと痛みます。しかし手術で金属でしっかりと止めてありますので痛みはなくなります。手術した傷の痛みは残りますが、骨折自体の痛みはぐんと下がり床離れも進みます。傷自体の痛みは残りますので、痛み止めで対処していきます。

 

手術後の経過によって、患者ごとにリハビリの期間が決まってきます。高齢者は動かないでいると体力がどんどんと落ち、それとともに筋力も落ちてきます。動けないことで精神的にもダウンし、うつ病などのリスクも高まります。患者の意欲を引き出してあげ、早くからリハビリを始めることが重要です。

 体力、筋力だけでなく精神的にも落ち込む⇒早くリハビリが必要

 いち早く離床し身体を起こすことで重力がかかり、食事がまっすぐ胃に入るようになります。そして排尿、排便に関しては寝ながら出すのは大変ですが、離床により腹圧がかかるようになり、尿や便の出が良くなります。


予防

骨折予防に大事なこと

骨折のドミノ倒し

高齢者は1ヶ所、大腿骨を骨折するともう片方も骨折するリスクが4~7倍増えます。これは骨折の連鎖、ドミノ倒しとも言われています。骨折のドミノ倒しを防ぐことが大切です。

骨折が連鎖する理由は?

骨粗しょう症は基本的に自覚症状がない⇒薬を飲まない⇒再び骨折

高齢者はたくさん薬を飲んでいるので、痛くなくなったら辞めてしまう人が多いのです。骨粗しょう症の薬をしっかりのむことが基礎になります。骨粗しょう症マネージャーを利用すると定期的に電話で見守りしてくれるので安心です。


圧迫骨折

背中の痛み

圧迫骨折

骨粗しょう症⇒いつのまにか圧迫骨折

 

本人も気づかないうちにいつの間にか骨折しています。骨はボキッと離れてしまった骨折は動くとすごく痛いので、手術やギブスで固定が必要です。

 

しかし骨粗しょう症が原因の圧迫骨折はゆっくりずれていくため、そんなに痛みを感じないし、骨折しても痛くないのです。そして骨折が治った頃には痛みがとれ、骨は変形したままで治ってしまうのです。

背中の圧迫骨折の対処法

背中の圧迫骨折の対処法は手術になります。手術法はおもに2つです。患者への負荷、合併症を含めてどちらが適切か検討します。

 

1 骨セメントを流し込む…つぶれた骨に風船を入れて膨らませ、できた空間に骨セメントを入れ、流し込んで固める。

回復の目安 4~7日

メリット 痛みが取れるのが早い

デメリット 二次骨折のリスクが比較的高い

適応 長く寝ていると危ない場合に体力を早く回復させる目的で選択

 

2 人工の骨を入れて固める…つぶれた骨の中に出来た空間に小さな人工の骨を入れて固める方法です。セメントより柔らかく骨に近い硬さのハイドロキシアパタイトという粒状の素材を用います。

回復の目安 1~2ヶ月

メリット セメントのようにカチカチではないので、二次骨折のリスクが比較的低い。

デメリット 回復までに時間がかかる。

適応 比較的元気で1ヶ月以上、待っていても体力が落ちない人

 

※費用は3割負担(自己負担約10万円)、高齢者の場合、更に負担が軽くなる場合があります。高額療養費制度が適用になります。


骨の構造

骨の構造

骨はビルと同じように柱と梁で出来ています。

正常⇒柱と梁が非常に太い

骨粗しょう症⇒柱が細く梁が切れている

骨粗しょう症患者は耐震強度のないマンションと同じで、ちょっとしたことで崩れてしまいます。

なぜ圧迫骨折は痛くないのか?

背骨は普通の骨と違い柔らかい部分が多いのです。そのため折れるときもボキッと折れるのでなく、徐々につぶれていくので痛みを感じにくいのです。

 

腰が痛くてもたんに老化の減少だとか、ちょっと無理したせいかな?と骨折になかなか結びつかないことが多いです。そのために治療が遅れたり、治療そのものをしなかったりということになります。

 

圧迫骨折の場合、人によっては一生気づかない場合が多いです。統計では5~6割の方が医療機関で診察してもらい、4~5割の方が気づかないまま終わっていくということが出ています。

 

一度、圧迫骨折をすると再び骨折しやすくなります。いかに早く治療して骨折のドミノ倒しを止めるかが大切です。治療をしないと骨が折れ続け、やがて腰が曲がってきます。

圧迫骨折で腰が曲がると

  • 姿勢が悪くなり、精神的ん落ち込む
  • 肺活量が下がり、心機能にも影響する
  • お腹が押されることで、逆流性食道炎の危険
  • 腸閉塞の危険
  • 重心が前へ移動してくるので、姿勢が悪く転びやすくなる

といった背中が曲げれば曲がるほどリスクが増えてきます。

圧迫骨折に気づくためには?

圧迫骨折のサインを見逃さないことが大切です。

身長の縮み…高いところに手が届かなくなる。

 -2cm⇒疑いあり

 -4cm⇒強い疑いあり

普通は壁にピタッと背骨をつけることができますが、圧迫骨折では、壁に背中はついても後頭骨をつけることができなくなります。家の壁に背中をつけてみて頭がつかない場合、圧迫骨折の疑いがあります。

かかと⇒背骨⇒頭の後ろつかない場合⇒もしかしたら圧迫骨折の疑い

気になる人は一度、精密検査を受けましょう!検査では一般的にDEXA法が用いられます。10分ぐらいの簡単な検査です。骨折してその人の生活の質を下げる危険性のある背骨と足の付け根を検査します。※大きな医療機関にあり、保険が効きます。(3~1割負担)


圧迫骨折の治療は手術よりも骨を強くする薬が基本

骨折対策

薬だけで支える筋肉がないと骨だけを丈夫にしていてもダメです!よく転ぶ人のほうが骨折する機会も増えます。転倒を予防し転ばない身体を作ることが大事になります。

転倒予防のためのエクササイズ

転倒予防のための簡単な運動をご紹介します。自宅で毎日、続けることが大切です。

  1. かかと落とし…20回×3セット(肩幅に足を開き、両足のかかとを上げてストンと落とす)
  2. 片足立ち…左右1分ずつ×3セット
  3. スクワット…10回×3セット

3種類の運動に加えてさらに散歩をプラスするとさらに良いです。


運動と食事

転倒のリスクは何歳から?

50歳を超えると体力、バランス能力、感覚が徐々に落ちてきます。急に落ちると頑張れますが徐々に落ちてくるので、いつから始めればよいか?きっかけがなかなかつかみにくいのです。理想は高齢者になる前に運動を始めることです。

 

骨は20歳まで増え続けます。10代のときにしっかりと身体を運動や作り、カルシウムの摂取量を増やす。骨はお金と一緒で最初にたくさん貯めておくと落ちてくるのが遅くなります。 

50代になったら落ちてくるのを以下に防ぐか?

骨密度を上げ、体力をつける。自分のライフスパン全体でずっと骨に関する健康を意識していくことが必要です。


運動の効果

筋力、バランス能力、骨の量をアップする。負荷を書けると骨は増えていきます。しかも簡単で毎日、続けられる運動。運動とともに自分が転ばない生活を心がけましょう!

運動以外の骨折対策はない!


骨を強くする食事

毎日の食事ではカルシウム摂取が大切です。ビタミンDは転倒しにくくなります。ビタミンKは骨を増やすのに大切です。

骨を強くする食事一覧表

骨を強くする栄養素
 カルシウム  牛乳 乳製品 納豆 小松菜など
ビタミンD さけ しいたけなど 日光浴
ビタミンK 納豆 ブロッコリーなど

まとめ

いつの間にか骨折を防ごう!

  • ビタミンD生成のため顔と手を露出して散歩で出かけよう!
  • 50歳を過ぎたら1度は骨密度検査をしよう!
  • 骨粗しょう症は自覚症状がないので検査をしないとわからりません。
  • そろそろ足が上がらないということを自覚したら1度は検査しましょう!
  • そして運動と食事で対策!を徹底し、いつの間にか骨折を防ぐましょう!

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