アロマセラピーとは
アロマセラピー(アロマテラピー)とは、『芳香(アロマ)』+『療法(セラピー)』を組み合わせた造語で、植物の成分を抽出した精油(エッセンシャルオイル)を利用して、心身のバランスをサポートする自然療法(代替療法)です。単に心身の不調を和らげるだけでなく、癒す、活力を向上させるなど、日常の生活を精神的に豊かにしてくれるのがアロマセラピーです。
嗅覚は喜怒哀楽などの情緒行動や、本能に基づく行動をコントロールする大脳辺縁系に直結。五感の中で唯一脳にダイレクトに伝える感覚です。香りによって懐かしさや記憶が蘇ったり、また一度イヤな臭いと感じると理屈抜きに嫌いになったりと香りは私たちの脳に強く影響しています。
最近では、人々の生活に馴染みのあるものになりつつあるアロマセラピーですが、実はその歴史は古く、古代エジプト時代まで遡るといわれており、暮らしを豊かにする手段として用いられてきました。
近年、精油やアロマセラピーを用いた研究が進んでおり、医療現場や介護施設、商業施設で多く取り入れられ、また予防医学としても活用されています。リラックス効果や集中力をサポートする手段として期待され、様々な場面を通し、忙しない現代で重要なものとして注目されています。
メディカルアロマテラピーとは
アロマセラピーには、入浴や部分浴(手浴、足浴)またはオイルトリートメントを通じて、薬理効果を持つ精油を皮膚から吸収させることで、体の内側から不調の軽減に働きかける力もあります。こうした精油の香り・薬理効果が心と身体に影響を与える力に注目し、統合医療に役立てようと医療・福祉現場で導入が進んでいるのが「メディカルアロマセラピー」なのです。
特徴1 フランス発祥の芳香療法
医療行為として認められている国も
ヨーロッパでは昔からハーブがとても身近な存在で、人々の暮らしに寄り添ってきました。特にフランスやベルギーでは、代替・補完医療としてのアロマセラピー「メディカルアロマセラピー」の活用が活発です。
特徴2 西洋医学ではフォローしきれないメンタル面での不調ケアに有効
メディカルアロマセラピーでは、香りが脳に伝わり人の心に作用する仕組みを活用しています。
その仕組みは科学的にも解明されており、香りの癒し効果と精油の薬理効果はメンタル面での不調に有効に働きます。
特徴3 認知症予防や終末期ケアなど日本でも医療現場での導入が進む
日本では西洋医学を補完する代替医療としてメディカルアロマセラピーの導入が進んでいます。
また、治療だけでなく統合医療の観点から、疾病の予防や健康増進に役立たせることを目指しています。
一般的なアロマセラピーとの違い
どちらも香りによる効果を得る目的で用いられますが、一般的なアロマセラピーでは主にリラクゼーションや香りを楽しむことが目的であるのに対して、心や体の不調・機能改善を目的に代替医療の一つとして医療や福祉の現場で導入されているのがメディカルアロマセラピーです。
アロマセラピー
リラクゼーションや香りを楽しむことを目的に、ディフューザーで焚いたり、エアーフレッシュナーやアロマバスにしたりと広く一般的に用いられています。使用上の注意さえ守れば、誰でも安全に楽しむことが出来ます。
メディカルアロマセラピー
精油が持つ薬理効果を、皮膚疾患、伝染症疾患、神経性疾患の治療に役立てたり、自然治癒力を高め心身を健全な状態へと導く目的で用いられます。精油学、基礎医学、心理学などの専門知識を身につけた人のみが扱えます。
メディカルアロマセラピーの効果
香りが脳に直接作用するメカニズムが医学的に解明されるにつれ、西洋医学では太刀打ちできなかった、治りにくく予防しにくいさまざまな疾患の画期的な治療方法として、医療や福祉の現場を中心にメディカルアロマセラピーへの期待が高まっています。最近では、認知症予防や終末期ケアなどが注目されています。